●チェダ―チーズは低血圧に効く?
牛乳などから作られるチーズはチラミンが多く含まれている食品の一つです。
チラミンは通常の食品にも含まれていますが、発酵が進んだ(熟成期間の長い)チーズほどチラミンの量が多いといわれており、チェダーチーズにはとくに多く含まれています(表:飲食物中のチラミン含有量/古泉秀夫:調剤と情報(5)6,826,1999より)。本サイトでもチェダーチーズが低血圧の人にはよい、と紹介しています。(参照:不快な症状は改善できる・おいしく食べましょう)

さて、交感神経の末端では、チロシンというアミノ酸から2種類の酵素によってL-ドーパ → ドーパミン → ノルアドレナリンへと合成が進みます。ノルアドレナリンは、神経終末にある貯留顆粒に蓄積されます。この貯留顆粒に、食品から摂取されたチラミンが刺激的に作用すると、ノルアドレナリンが貯留顆粒から分泌されます(右図)。

ノルアドレナリンは、神経終末から遊離して、目的臓器のノルアドレナリン受容体と結合します。目的臓器が血管壁であれば、血管が収縮し、また心臓であれば心拍数が上がったり、心筋の収縮力がアップしたりします。その結果、血圧が上昇します。交感神経がしっかり働いている人の場合、薬剤としてのチラミンを注射すると血圧が簡単に上がりますので、交感神経機能検査として用いられています。
ところで、チラミンが多く含まれているチェダーチーズは、低血圧に効くのでしょうか?実際に過去の研究報告では、チェダーチーズとノルアドレナリン分解酵素阻害剤(モノアミン分解酵素阻害剤)を一緒に使用して重症の起立性低血圧患者に効果が見られたとあります[1]。しかし、なんと! これが人類史上ただ一つの報告のようです。

通常の低血圧の人や起立性調節障害の人がチェダーチーズを食べて血圧が上がったというような研究論文は、世界中を探しましたが、その後の40年間でも一つも見つけられませんでした(-_-)。理論的には低血圧に効くはずなんですが、、、
一度、試しに実験をやってみても面白いかもしれませんよ〜。我こそは! と思う方は申し出て下さい(笑)。ジョーク、ジョーク(^_^)

[1] Diamond MA, Murray RH, Schmid PG. Idiopathic postural hypotension: physiologic observations and report of a new mode of therapy. J Clin Invest. 1970 Jul;49(7):1341-8.