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◆企画・監修 …………………………

OD低血圧クリニック田中
院長
田中英高

◆企画協力 ……………………………

済生会茨木病院 小児科
松島礼子
  • 大正富山医薬品株式会社

子どものこんな症状は、起立性調節障害

ODの病態と治療
起立性調節障害、以下、ODと言いますが、ODは思春期に起こりやすい自律神経機能失調と考えられており、急激な身体発育のために自律神経の働きがアンバランスになった状態と説明されています。

ODの子供たちをよく診ていると、起立時に血圧がひどく低下して脳貧血を起こす症例もあれば、血圧に異常を認めない症例もあります。
また、心理的側面から見るとODは、過剰適応な性格であり他人に気遣いして心理的にストレスをためやすい傾向があります。
そしてODの約3割は不登校を合併しています。

このように、ODと一言でいっても病気の本態は同じではなく、それぞれの子どもについて、からだと心の両方からアプローチするという、心身医学的な診療が必要です。
ODの身体的メカニズム
人が急に立ち上がるとひどいめまいや立ちくらみを起こすことがあります。
また長時間の起立中に気分不良となり、冷や汗が出て、しゃがみこんだり、ひどい場合には意識がなくなったりする場合もあります。

このような症状を一般的には、脳貧血、あるいは失神前状態とか呼びます。
これは血圧が低下し脳の血液循環が悪くなったために生ずる現象です。
健康な人でもたまにある症状ですが、立ちくらみの程度や頻度が強くなると、起立が困難になり、日常生活が大変に損なわれます。

日本では、昭和30年頃から研究されていましたが、最近では欧米でも注目され、orthostatic intolerance、起立不耐性と呼んで研究が進んでいます。
長期間の宇宙飛行から地球に帰還したら、起立耐性が悪くなるためにこの研究がされているのです。

人が起立すると血液は重力のために下半身に移動します。そのため動脈、静脈のいずれの血管系でも、血液の重力、すなわち静水圧によって血管腔が拡張するため、血圧が低下します。
また下半身に血液が貯留するため心臓に還る血液量が減少します。

これに対して健常者では、代償機構が作動し交感神経末端からノルアドレナリンが分泌され、血管収縮が起こり、血圧が維持されます。

ところがODでは、起立直後すぐに活発化するはずの交感神経が作動せず、また循環血漿流量も少ないことと相まって、血圧が低下したままになります。
一方、心臓は血圧を維持するために心拍数を増加させ、起立中に頻脈を起こします。
【図3】このメカニズムは症例によって少しずつ異なっているため、ODには数種類のサブタイプがあります。
タイプ別に適した治療が必要です。
【図3】低血圧の病態生理

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(1) 起立直後性低血圧
第1に多いタイプは、起立直後性低血圧です。
英語ではinstantaneous orthostatic hypotension、INOH、アイノーと言います。
「私はアイノーを知っている」と英語で言うと、アイノーアイノーです。これは覚えやすいと思います。

アイノーは、起立直後に一過性の強い血圧低下があり、同時につよい立ちくらみと全身倦怠感を訴えます。血圧回復時間が25秒以上であれば、アイノーと診断できます。
アイノーには、軽症型と重症型がありますが、起立時の血圧低下が強く、収縮期血圧が15%以上低下したままであれば、重症型と診断します。
アイノーの起立時のノルアドレナリン分泌は低下しており、重症型ではその障害が顕著です。
小児では代償的な頻脈を認めます。

(2) 体位性頻脈症候群
2番目に多いタイプは、体位性頻脈症候群です。
英語でpostural tachycardia syndrome、略してPOTS、ポッツと言います。
ポッツは起立時の血圧低下はなく、起立時頻脈とふらつき、倦怠感、頭痛などの症状があります。

起立時の心拍数が115以上、または起立中の平均心拍増加が35以上あれば、ポッツと診断します。起立中に腹部や下肢への血液貯留に対して、過剰な交感神経興奮やアドレナリンの過剰分泌によって生ずると考えられています。

(3) 神経調節性失神
3番目は、神経調節性失神です。
英語でneurally-mediated syncope、略してNMSといいます。
起立中に突然に収縮期、拡張期血圧が低下し、症状が出現します。
発作時に徐脈を起こす場合もあります。
通常は、起立中に過剰に頻脈が起こり、そのため心臓が空打ち状態となり、その刺激で反射的に生ずると考えられています。

したがって、アイノーやポッツでもNMSを起こります。
失神発作を主訴とする患者の検査陽性率は、欧米では20~64%と報告されており、珍しい疾患ではありません。

(4) 遷延性起立性低血圧
4番目は、遷延性起立性低血圧です。
起立直後の血圧反応は正常ですが、起立数分以後に血圧が徐々に下降し、収縮期血圧が15%以上、または20mmHg以上低下します。
頻度は余り多くありません。
静脈系の収縮不全と考えられ、拡張期圧は上昇し脈圧の狭小化を招きます。
小児起立性調節障害の分類とその症状
A.循環器機能異常のある起立性調節障害
起立失調症状以外に共通する症状には、慢性疲労、朝起き不良、午後から体調回復、入眠障害、頭痛などがある。(1)~(4)の約半数に神経的登校拒否を合併し、また下記の精神疾患を合併することもある。
  • (1) 起立直後性低血圧(mild form, severe form)
    起立直後の立ちくらみや眼前暗黒感、心悸亢進、全身倦怠感
  • (2) 遷延性起立性低血圧
    立位途中から生ずる気分不良、顔面蒼白、四肢冷感、心悸亢進、頭痛、全身倦怠感、
    発汗
  • (3) 体位性頻脈症候群
    起立中の心悸亢進、全身倦怠感
  • (4) 神経調節性失神
    上記症状に加えて失神発作、痙攣
B.循環器機能異常はないが、OD症状を呈する病態
  • (1) 過敏性腸症候群
    頭痛、繰り返す便秘や下痢が主症状となる。
(2) 睡眠覚醒スケジュール障害、昼夜逆転リズム
  • (3) 精神疾患
    a. 適応障害
    b. 不安障害(分離不安、過剰不安、回避性障害、パニック障害)
    c. 身体化障害
    d. うつ、うつ状態
まだ他にもタイプはあると考えられますが、現時点ではこの程度です。
以上、サブタイプについて説明しました。

ODの多くは、末梢血管交感神経活動が低下していますが、それはなぜでしょうか?
成人では糖尿病やその他の代謝性疾患によって二次的に交感神経が障害され、その結果起立性低血圧を合併しますが、小児や思春期の起立性低血圧においてなぜ交感神経活動が低下するのか、その原因はわかっていません。

低血圧研究で有名な本多和雄先生は、ODの遺伝傾向を指摘されていますので、体質的に交感神経機能が悪い人がなりやすいと思われます。
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