子どものこんな症状は、起立性調節障害
小児起立性調節障害の全人的治療
起立性調節障害相談室(Q&Aコーナー)
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企画・監修:田中 英高
(大阪医科大学小児科准教授)
企画協力:松島 礼子
(済生会吹田病院小児科)

起立性調節障害 最近のトピックス


しもやけ対策はどうしたらいいですか?
しもやけは医学用語では凍瘡といいます。英語では、frostbite(霜が噛む?という表現は当たってますね)とか、pernioと言います。凍瘡にかかりやすいかどうかは、かなり個人差がありますが、なりやすい体質はあるようです。そこでまず、寒冷刺激によって身体がどう反応するかを見てみましょう。
気温が下がると、通常は皮膚の血管が収縮して皮膚血流や指への血流が低下します。これは、体温を下げないための生体防御システムです。このシステムに、最も大きな役割を演ずるのは「動静脈吻合(AVA)」と呼ばれる末梢血管の装置です。毛細血管の少し心臓側にあります。AVA装置はちょうど関所のように、血液の流れを調節しています。ここには脳(とくに視床下部)からず〜っと線維を伸ばしてきた皮膚交感神経が支配しています。気温が下がって深部体温が低下すると、脳から皮膚交感神経に信号が送られ、AVA装置が作動し血液の流れを低下させ、体温の低下を防ぎます。
ところが、AVA装置が働きすぎると血流不足となり、凍瘡になります。通常はそうならないように、AVA装置が周期的に解除されて血管が拡張し血流が回復します。これを「寒冷誘発血管拡張」といいます。これがないと血管が収縮しっぱなしになり凍瘡になりやすくなります。
このような理由から、皮膚交感神経活動が強すぎる人や、血管の収縮性が強すぎる人、あるいは血流の少ない人は凍瘡にかかりやすくなります。低血圧や起立性調節障害の人の中には、水分摂取が少なくてそのために循環血液量が低下し全身への血流が低下している人がいますが、凍瘡にかかりやすいですね。またこんなに寒い冬には屋外での作業はおっくうになりますが、しっかり身体を動かして全身への血流が低下しないようにしましょう。その場合、体温が下がらないように防寒を心がけて下さい。ただし、汗をかいたら出来るだけ早く着替えるようにしましょう。知らない間に深部体温が低下して凍瘡ができやすくなります。
また、普段からしっかりと水分と食事を取って下さい。低血圧や起立性調節障害の人は、「朝はごはん、たべたくな〜い」と言って寒い屋外に出かけると、あっというまにしもやけになりますよ。アルコールや煙草は、血液を粘調にして血流を悪くするだけでなく、寒冷誘発血管拡張を低下させる可能性もあります。充分に注意して下さい。
ところで、しもやけに関する海外での文献をみると、やはり北欧からのものが多いようですね。そしてなんと言っても凍瘡が大問題となるのは、軍人、つまり軍隊の世界のようです。寒冷地帯での戦争ともなると、いかに凍瘡から身を守るか、それはとても重要な課題のでしょうね。いまでも世界のあちこちで戦争が起こってますし、日本の周辺にも暗雲は立ちこめてますので、平和ボケの私達には「そんなの関係ない」と言っていられないかも。

(参考文献)
Rintamaki H.Predisposing factors and prevention of frostbite.
Int J Circumpolar Health. 2000 Apr;59(2):114-21.
Oulu Regional Institute of Occupational Health, Finland.
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