子どものこんな症状は、起立性調節障害
小児起立性調節障害の全人的治療
起立性調節障害相談室(Q&Aコーナー)
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企画・監修:田中 英高
(大阪医科大学小児科准教授)
企画協力:松島 礼子
(済生会吹田病院小児科)

起立性調節障害 最近のトピックス


うつ病と間違いやすい起立性調節障害(後編)
先生の知りたい最新医学がここにある
〜うつ病と間違いやすい起立性調節障害(OD)後編〜


前回に引き続き、学校関係者向けの雑誌、月刊誌「健」に、掲載された起立性調節障害についての記事を要約してご紹介します。インタビューに答えているのは、当サイトの監修者の大阪医科大学小児科学教室 准教授の田中英高先生です。この記事は2回に分けて掲載されましたが、今回は後半です。すべての記事を読む場合は、以下をクリックしてください。
「うつ病と間違いやすい起立性調節障害(OD) 後編」

●ODの子どもには心理的サポートを!
ODは身体疾患ですが、心理的背景が大きく作用します。精神ストレスから症状が出たり悪化したりすることがあるので、ODの子どもに接するときは注意が必要です。心の問題となる原因と考えられているものには、大きく次の3つがあります。
1 子ども自身の性格傾向や心理特徴
ODの子どもは過剰に気を遣い、「ノー」を表現することが苦手で、周囲の期待に自分を合わせようとする傾向があります。このようにストレスを意識下にため込んでしまうと、自律神経系に悪影響を与えてしまうことにもなります。
2 家庭背景
ODは朝起きが悪く、それを意思の力では改善できないため、保護者はODの子どもを怠け者と思いこみ、容認できず拒否的な養育になることもあります。このようなことから親子関係が悪化し、精神的ストレスを生じると病気が悪化することになります。
3 学校でのトラブル
もっとも問題になるものは「いじめ」。ほかには「教師との関係」「学業問題」なども精神的ストレスとなります。

●ODの治療
『小児心身医学会ガイドライン集』では、ODの治療法を次のように述べています。
1)説明・説得療法
本人と保護者にODは身体疾患であることを説明
2)非薬物療法
水分摂取、塩分摂取、日常生活リズムの改善
3)学校との連携
4)薬物療法
中等症以上では、薬物療法
5)環境調整
6)心理療法

2)非薬物療法に関連しますが、睡眠リズムを整えることは非常に重要です。ODの子どもは朝が苦手ですが、夜になると活動的になります。そのため、ついつい夜更かしということにもなりますが、夜更かしをすると症状が一気に悪くなります。夜は23:00までに就寝し、休日であっても平日より1時間以上は朝寝坊をしないよう心がけます。

●ODの子どもの進学について
ODの子どもの高校進学には症状の程度や本人の将来の夢など、さまざまな観点から気を配る必要があります。

普通高校だけではなく、定時制高校や単位制高校も選択肢に加わります。朝は起きられなくても定時制や単位制高校でしたら、無理なく通うことができるかもしれません。また、症状が重く自宅に引きこもっている状態でしたら、治療を受け、その後進学をしたり、高等学校卒業程度認定試験を受験して資格をとり、さらに大学や専門学校に進学をするという方法も考えられます。

いずれの場合も、ODを正しく理解して、症状に苦しむ子どもたちを支援していく必要があるでしょう。

参考)月刊誌「健」2010年1月号(日本学校保健研修社)

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