子どものこんな症状は、起立性調節障害
小児起立性調節障害の全人的治療
起立性調節障害相談室(Q&Aコーナー)
低血圧サイト

企画・監修:田中 英高
(大阪医科大学小児科准教授)
企画協力:松島 礼子
(済生会吹田病院小児科)

起立性調節障害 最近のトピックス


起立性調節障害に関する2009年のトピックス

今年もあとわずかとなり、皆様、忙しい毎日をお送りのことと思います。
さて、2009年の起立性調節障害関連のトピックスを振り返ってみたいと思います。少し難しい内容もありますが、最先端の内容ですので、ご参考になれば幸いです。

1.2009年1月、起立性調節障害診断・治療ガイドライン英語版が出版
起立性調節障害診断・治療ガイドライン英語版が出版されました。2006年に発行された日本語版に、海外向けに修正を加えて日本小児科学会の英文雑誌に掲載されました。(Tanaka H, Fujita Y, Takenaka Y, Kajiwara S, Masutani S, Ishizaki Y, Matsushima R, Shiokawa H, Shiota M, Ishitani N. Japanese Clinical Guidelines for Child Orthostatic Dysregulation Ver.1 Ped Internat 2009; 51:169-179)


2.日本発、起立性調節障害の脳循環に関する論文が発表される
起立性調節障害の脳循環に関する論文が日本から発表されました(大阪医科大学小児科 金泰子医師)。

一般の小学校、中学校に協力をお願いし、起立性調節障害について子どもたちや保護者に説明した後、希望者に非侵襲的連続血圧測定装置(Finapres)と近赤外分光計(NIRS)を使った起立試験を実施しました。

健康な子どもの中でも軽症の起立性調節障害は存在しますので、かれらと起立性調節障害のない子どもを比較した結果、起立性調節障害のサブタイプである起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群ともに、起立時に脳血流の低下が明らかになりました。

その結果は、昨年の第112回日本小児科学会総会、第63回日本自律神経学会総会で発表されました。また、日本小児科学会の英文雑誌にも掲載されています。(Taeja-Kim Y. Tanaka H, Takaya Y, Mitsugu K,Tamai H, Arita M. Quantitative study on cerebral blood volume determined by a near-infrared spectroscopy during postural change in children. Acta Pediatrica 2009;98:466-471)


3.『起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』が発売される
2009年4月25日に中央法規出版から、一般向けの書籍『起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』が発売されました。

この書籍は、当サイト監修の田中英高先生が起立性調節障害に対する正しい理解を多くの方に知ってほしいという思いから書かれたものです。先生の思いが伝わり、「友だちに貸してあげた」「学校に献本しました」という多くのご購入者からの声が出版社に届いているそうです。

「読者の皆様には起立性調節障害の啓発事業にご協力頂き、心からお礼申し上げます」と田中先生からのお礼のメッセージを、ここで紹介させていただきます。


4.『小児心身医学会ガイドライン集:日常診療に活かす4つのガイドライン』が発売
2009年6月には、日本小児心身医学会から、『小児心身医学会ガイドライン集:日常診療に活かす4つのガイドライン』(日本小児心身医学会/南江堂/2009年)が発売されました。

これまでのガイドラインは、日本小児心身医学会の会員しか入手できませんでしたが、今回の発売によって、誰でも手に入れることが可能となりました。


5.起立性調節障害専門医向けガイドライン作成が着手される
2008年度、日本小児心身医学会は、起立性調節障害専門医向けガイドラインの作成に着手しました。

これは厚生科学研究 子どもの心の診療に関する診療体制確保、専門的人材育成に関する研究(奥山班) 分担研究子どもの心身医学的診療(含リエゾン)の標準化に関する研究と共同で実施し、2009年度も継続中です。


6.『小児科臨床ピクシス 起立性調節障害』が出版予定
まもなく中山書店から、『小児科臨床ピクシス 起立性調節障害』が出版予定です。これは、起立性調節障害の治療の専門家56名が執筆した起立性調節障害の学術専門書です。

宇宙から帰還後に生ずる起立性調節障害の最新知見から、起立性調節障害を克服した子どもをもつ保護者の体験手記まで、非常に多面的な構成になっています。

『起立性調節障害ガイドライン』に沿った記載になっていますので、これ一冊で起立性調節障害のすべてがわかります。通常の医学専門書に比べ、かなりわかりやすい内容なので、専門家でなくても興味のある方は、ぜひ、お求めください。


7.起立性調節障害に関して、保護者を対象とした講演会を開催
2010年1月16日(土)に、起立性調節障害に関する、保護者を対象とした講演会が行われます。その開催趣旨については、ここをご覧下さい。お申し込みがまだの方も、引き続き"起立性調節障害Support Group"からお申込みができますのでご利用ください。

来年度は、起立性調節障害の専門医向けのガイドラインの完成が見込まれ、保護者向けのペアレントトレーニングの開催も企画されています。また、このサイトを通してご紹介していきます。

起立性調節障害に悩まれる皆様にとって、来年は明るい展望の年となりますように。よいお年をお迎えください。

トピックストップへ