子どものこんな症状は、起立性調節障害
小児起立性調節障害の全人的治療
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企画・監修:田中 英高
(大阪医科大学小児科准教授)
企画協力:松島 礼子
(済生会吹田病院小児科)

起立性調節障害 最近のトピックス


起立調節性障害ジョイント講演会〜保護者が病院に望むこと、学校に望むこと

起立調節性障害ジョイント講演会
〜保護者が病院に望むこと、学校に望むこと

2010年1月16日(土)、保護者・学校関係者向け「起立調節性障害ジョイント講演会」が大阪医科大学附属看護専門学校講堂で行われました。

当日は3部構成となっており、第1部は、当サイトの監修者でもある大阪医科大学附属病院小児科の田中英高先生による講演【起立性調節障害の診療から学んだこと】。第2部は【不登校を伴う起立性調節障害児の高校進学はどうすればよいのか】をテーマにし、済生会吹田病院小児科の松島礼子先生と田中英高先生がそれぞれご講演されました。

起立性調節障害の子どもへの支援は身体的な治療だけでなく、家庭における生活面や教育的な配慮も必要です。しかし、どのような配慮が必要なのか、これまで充分に研究されてきませんでした。そのような背景もあり、当日の講演会場は子どもをどのようにサポートしたらよいのか、真剣に考えている保護者で埋め尽くされました。参加者は近畿地方にとどまらず、関東、東海、四国、九州と遠方からも多くお見えになりました。

第3部では、子どもの心の診療に関する診療体制確保、専門的人材育成に関する研究(奥山班)、分担研究 子どもの心の心身医学的診療(含リエゾン)の標準化研究(分担研究者 田中英高)といった厚生科学研究(厚生労働省の研究事業)が、公開講演会・討論会【起立性調節障害診療に関する保護者、学校関係者を対象とした質疑応答】を主催しました。

起立性調節障害の子どもをもつ保護者、同疾患にかかわる学校関係者、それぞれの立場からの発言があり、また、起立性調節障害診療における病院、高校進学も含めた学校への要望を聞き取りました。以下は当日、会場であがった意見です。

■起立性調節障害の子どもをもつ保護者から医療機関への要望
◆起立性調節障害の専門医に関すること
・診断がつかず、医療機関をたらい回しにされるケースが少なくない。
・高校生になると小児科の対象ではなくなるので、成人の起立性調節障害の診断・治療ができる病院をもっと増やしてほしい。
・小児科でも起立性調節障害を知らない医師がいて「学校に行かせなさい!」と言われた。
・精神科で抗うつ剤を処方され症状が悪化した。
・プライマリケア医は、起立性調節障害の知識をもち診断がつけられるようにしてほしい。
*起立性調節障害に関する知識をすべての医師にもってほしい。
専門医を増やしてほしい。
◆その他
・正しい診断をし「この病気は治るから大丈夫」と言ってほしい。
・よく効く薬を開発してほしい。
・診断書を学校に提出することが、ほかの保護者に理解してもらうのに有効だった。診断書の作成を医師は積極的に行ってほしい。

■起立性調節障害の子どもをもつ保護者から学校への要望
◆学校、教師への要望
・気合いで病気が治ると思っている教師がいる。
・起立性調節障害の子どもは、本人も非常にとまどいナーバスになっている。そんな子どもの心を教師は理解して対応してほしい。
◆高校進学についての相談
・通信制、単位制などの教育機関の情報はどこで得られるのか。
・起立性調節障害の子どもに合わせた進路指導ができる教師がいてほしい。
・高校受験の際に診断書の提出は必要なのか。
 ⇒診断書の有無によって、受験結果が左右されることはない(教育関係者からの返答)
・学校の先生は、子どもに対してよくしてくれるが、どの程度かかわってもらえばよいのかわからない。
 ⇒保護者と学校で共通認識をもつことは重要。どの学校にも「不登校支援会議」などがあるので、このようなものを積極的に利用してほしい(教育関係者からの返答)

これらの意見・要望は、現在作成中の「専門家向け起立性調節障害ガイドライン」に反映されるということです。当事者、その家族の心に沿った治療の確立が望まれます。



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